Peter Pan
だれかがわたしをおきざりにして おとなになっても
わたしはこどものままでいたい このままのこころであなたたちをみまもりたい
「Peter Pan」
「またお前らご一緒で?」
「またって言ってもそっちがこうやって任務につかせたんじゃないスか」
「・・・・・・・でも実際どうなんだよお前ら。え?」
「・・・・。」
「あんたはどう思ってるの」
「知らないよそんなこと 急に言われても困る」
いつの会話だ、こんなの
「綱手さま!起きてくださいよ!まだやることたくさんあるんですから!」
「あー シズネ・・・・」
何でかよく分からない
いつのまにかあいつら2人のことを考えるようになった
どちらかが好きだから憎んでるとかそういうのじゃなくて(ありえない←向こうも思ってる、絶対)
餓鬼みたいな ただのくだらない好奇心があるだけである
2人がどうゆう関係か、それが気になるだけである
あぁ いけないいけない これじゃナルトと同じじゃないか
「失礼しまーす」
ドアの向こうから気の抜けた声が聞こえてくる
一発で分かる
奈良シカマルだ
あとたいてい テマリもその隣でいる
(書類1つ届けるときにも2人で来たりするときは完全にデートしてるだろ、とか思ってしまう)
予想通り、ね
しかもまた書類届けるだけだわ
「おい」
「?」
「あ、やっぱなんでもない デートの邪魔だろ?」
そう言って私はわざといやらしい笑顔を作った
こうやって冷やかした時の2人の反応があまりにもおもしろい(というか可愛らしい)のでついついやってしまう
私はいろいろ冷やかすのが好きだ、昔も 今も
あなたのこと、冷やかしまくったよね、私
でもあなたは ちゃんとそれを受け止めてくれたんだよね、いつも
−−私いつからこんなになったんだ、ホントに。
「・・・・・な、何でもないですよ、私らなんて」
「はー・・・・・ 勝手な妄想しないでくださいよ じゃ失礼しました」
そしてシカマルはこんな空気に包まれたここから早く出て行こうとテマリの腕を強引に引っ張って出て行った
まだドアは閉まりきってない
そこから2人の姿が見えた
気のせい? あ、いや本当だった
あのまま手、つないでやがるよ
しかも こんなとこでキスなんかしちゃってるよ、あいつら
わざと見せびらかしてんの?って感じだったが 何も今の2人に口出しできなかった
「ふーんやっぱね あれは確実にそうだろ、なあ、シズネ」
シズネに話しかけても返事はなかった
少し赤い顔で2人の姿を無言で見ている 目をそらしたり また見たり
分かるわ、シズネの気持ち
見ちゃいけないもんだけど 見たくなるんだよな、こうゆうのって。
しばらく間があいてから先に口を開いたのはシズネだった
「さ、綱手さま、仕事仕事!新しい書類も来たんですしね!私は用事でここから離れますがちゃんとしてくださいよ!
「あ〜 はいはい」
そしてシズネは出て行った
もう2人はいないよな、ということを確認するようにゆっくりとドアを開けると、廊下を歩いていった
1人になった 静かな部屋だ
あ、早く書類片付けてもう一度寝ようか
この書類、1P目がシカマルで2P目をテマリが書いたんだろう、字形が微妙に違う(丁寧さはずばぬけてテマリのほうが上だがな)
そんなことどうでもいいや、と思って書類に目を通した
本当に いつからこんなになったんだっけ いや、昔からか
また考えてる あいつらがどーとかこーとか
それと重なって昔のこととか
今の私には関係ないのにね
子供のままだわ、私
でもだいたいがそうなんだよな、
いくら年とっても餓鬼のまんまだよな、多分 ちゃんと理由もあるよ?
大人になっても恋したり
大人になっても喧嘩したり
大人になっても覗きしたり(自来也参照)
大人になっても人の恋路気にしたり
悪けりゃその邪魔したりとか
今の私のように
いなくなったひとが 戻ってくるようになんて ふざけたような願い事をしたり。
50超えた餓鬼、ね
きっとみんな笑うんでしょ
じゃあせめて ここだけ餓鬼のまま、子供のままでいさせて
私のこの願い事が叶ってくれますように
私はあなたたちがずっとそのままつながってることを、願います。
「Melancholynista(旧インダストリアル)」カエ様より相互記念SS
大人になってしまったから、わかる。自分がどれだけ大人になれないのか。
「お姉さんの視点から」。多謝!